ListeningとGrammarの関係について

ListeningにおいてもGrammarは重要です。
先日、ある高校生のDictationをチェックしていると、次のような聞き間違いがありました。
正解
The temperature might drop below zero today.
生徒のDictation
The temperature my drop below zero today.
このListening教材は以前に「LとRの発音」についてのブログでも紹介したものです。
「L」と「R」の発音 | 英語個別指導 イーアカデミー – eAcademy – (learning-com.jp)
Pretty Vietnamese student with smartphone writing in her textbook
今回は別の箇所のミスですが、2つの観点からとても重要です。
まず、聴き取りとしては間違っていない、ということです。
正解の文章にある、「might」の最後の音「t」と、続く「drop」の最初の音「d」は、音声学的にはどちらも「歯茎破裂音」と呼ばれる音で、基本的に同じ発音です。
違いは「t」は無声音、「d」は有声音であることだけです。ちなみに有声音と無声音の違いは、音声学的には「声帯が振動するかしないか」という違いですが、学習者は「音が濁るか濁らないか」、と理解すれば良いでしょう。
こういう同じ発音が続く場合、英語では前の音と後ろの音がつながって、後ろの音に吸収されることになります。
つまり「might」の「t」は、後ろの「drop」の「d」に吸収されて消えてしまうのです。
つまり、生徒のDictationのように「my drop」と発音されているのです。
この生徒は正確に聞き取れているということです。
しかし、これでは不正解です。何故か?
The temperature my drop below zero today.
この文章(らしきもの)の中で動詞は「drop」となります。動詞の前に、代名詞の所有格は来ることができません。よって「my」という単語が動詞「drop」の前に来ることはできません。
この基本的な文法のルールが身についていれば、「my drop」という音の連続は「might drop」と聴こえるはずなのです。
あるいは、「my drop」と書いた時点で、おかしいと気づいて聴き直す、そして「might drop」だ、と気が付くことができる必要があります。
こうやって見てみると、「リスニングには文法の理解が重要」であることが分かります。
言い換えると、「リスニングをやることで文法が身につく」、ということでもあります。
さらに云えば、文法だけでなく前後の文脈から上記の音の連続は「might drop」だと判断できることもあります。つまりReading力があれば正しく聴き取れる、ということもあるのです。
語学学習ではGrammar、Reading、Listening、Speakingは独立した別々のものではなく、これらは有機的につながっているのです。
この生徒のミスによって、非常に重要なことを再認識することができました。
英語学習におけるリスニングの重要性をあらためて確認できた、ある春の日のエピソードでした。
先日、ある高校生のDictationをチェックしていると、次のような聞き間違いがありました。
正解
The temperature might drop below zero today.
生徒のDictation
The temperature my drop below zero today.
このListening教材は以前に「LとRの発音」についてのブログでも紹介したものです。
「L」と「R」の発音 | 英語個別指導 イーアカデミー – eAcademy – (learning-com.jp)
Pretty Vietnamese student with smartphone writing in her textbook
今回は別の箇所のミスですが、2つの観点からとても重要です。
まず、聴き取りとしては間違っていない、ということです。
正解の文章にある、「might」の最後の音「t」と、続く「drop」の最初の音「d」は、音声学的にはどちらも「歯茎破裂音」と呼ばれる音で、基本的に同じ発音です。
違いは「t」は無声音、「d」は有声音であることだけです。ちなみに有声音と無声音の違いは、音声学的には「声帯が振動するかしないか」という違いですが、学習者は「音が濁るか濁らないか」、と理解すれば良いでしょう。
こういう同じ発音が続く場合、英語では前の音と後ろの音がつながって、後ろの音に吸収されることになります。
つまり「might」の「t」は、後ろの「drop」の「d」に吸収されて消えてしまうのです。
つまり、生徒のDictationのように「my drop」と発音されているのです。
この生徒は正確に聞き取れているということです。
しかし、これでは不正解です。何故か?
The temperature my drop below zero today.
この文章(らしきもの)の中で動詞は「drop」となります。動詞の前に、代名詞の所有格は来ることができません。よって「my」という単語が動詞「drop」の前に来ることはできません。
この基本的な文法のルールが身についていれば、「my drop」という音の連続は「might drop」と聴こえるはずなのです。
あるいは、「my drop」と書いた時点で、おかしいと気づいて聴き直す、そして「might drop」だ、と気が付くことができる必要があります。
こうやって見てみると、「リスニングには文法の理解が重要」であることが分かります。
言い換えると、「リスニングをやることで文法が身につく」、ということでもあります。
さらに云えば、文法だけでなく前後の文脈から上記の音の連続は「might drop」だと判断できることもあります。つまりReading力があれば正しく聴き取れる、ということもあるのです。
語学学習ではGrammar、Reading、Listening、Speakingは独立した別々のものではなく、これらは有機的につながっているのです。
この生徒のミスによって、非常に重要なことを再認識することができました。
英語学習におけるリスニングの重要性をあらためて確認できた、ある春の日のエピソードでした。